唎き酒番所93
新潟駅に降り立った。「思えば遠くに来たもんだ」である。
新幹線も混雑のゴールデンウイーク。何もこんな混んでる時に来なくても、と思うのだが日本酒を追い求める旅は、尽きることがない。
駅に立てば、早速酒の香りが鼻を動かす。勿論、駅構内に酒の香りが漂う訳はないが、何となく越後の風土がそんな気にさせるのかもしれない。しかしその感性は間違いではなかった。
早速探した駅ターミナル。お酒ミュージアムぽんしゅ館新潟店が姿を現す。しかもその奥、「唎き酒番所」は越後の蔵、93蔵の酒が全部飲めるときたら素通りは出来ない。
そのシステムは、入口で500円支払うと5枚のコインと小さな御猪口が渡される。並ぶ93の蔵は、コインロッカーを頭に浮かべてもらえれば理解できる。その飲みたい蔵にコイン一枚を投函するとちょろちょろと酒が流れてくる仕組み。小さな御猪口に入る量なので利き酒には充分。
もしも、何かツマミが欲しければ、コイン一枚でキュウリ一本丸かじりも出来る。味噌もあるし、何種類かの塩も用意してあるので塩を舐めながら酒を味わうのも良し、キュウリかじって酒を飲むのも良し。何と言っても93蔵、一日いても味わいきれない。
酒は嗜好品。自分で気に入った蔵を探すのもいいと思う。しかし何である。確かに少量の酒だが、コイン5枚でも充分体は温まる。酒に弱い人は、これで酔えるかもしれない。
越後の地でチビリ、チビリと飲む酒も、いいものである。
この記事へのコメントはこちら