今回も蕎麦店の紹介をしてみたい。場所は信州安曇野穂高駅、降りたったと同時に碌山美術館に足を向けてもらいたい。その美術館の、はす向かいに寿々喜そば店が営業している。

その店の名は「すずきそば店」である。この店、穂高駅より回遊したタクシーの運転手からの情報なので、まず間違いはない。「旨い蕎麦屋はないかい」と聞けば開口一番「寿々喜がいいよ。」と放たれた。

まだ夏の終わりの時期でもあったので、喉の渇きに泡の立つ飲み物「ビール」とやらを一本注文、クイッと飲めば２杯・３杯とグラスの泡が後をひく。

呑み続けながら注文はどうするかと思案したが、隣の客の「ざる蕎麦」が目に止まる。

それが、大ざるらしいが、デカ盛りの多さ。それが富士山のように大きな盛り具合。メニューで調べれば並盛り、中盛り、大盛りの三通り選べるようだ。お隣の客人は労働者風のガタイのいいお客、こちとら華奢な老人であれば並盛りで可愛く攻める事にした。

北アルプスから流れ出でる名水で打った蕎麦は、実に出来がいい。ビールをもう一本追加して蕎麦をすする。いい味だ。

それにしても蕎麦をすすっていると日本酒を飲みたくなる。蕎麦は少な目だがその分酒で埋め合わせをする。常温の日本酒を流して蕎麦をすする。何ていい時間だ。

長野信州。蕎麦の旨さは土地に馴染んで嬉しさを呼び覚ます。