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Vinarius(ヴィナリウス)

  

以前にも書いたが、故郷探しの旅として武蔵小山の店を幾つか紹介させてもらった。実に楽しかった思いを抱きながら再度の挑戦と相成った。

勿論、天ぷら定食「まきの」で腹を膨らませて次なる飲み屋へ進路を切ったが、今回は日頃と違ってワインの店を覗いて見た。私の最も苦手な世界に足を踏み入れた訳だ。

苦手と言うより「分からんのだよ」と雄叫びしたくなるジャンルであるから、自ずと店内でも消極的になり、口数も少なくなるはずなのだが、何故かしら弁舌鮮やかに次から次へと言葉は流れる。

こんな状態を一般的には「酔っている」と言うのであるが、3軒目の梯子酒は心軽やかにマスターと話が弾む。「マスター、入口にさ。角打ちって書かれていたけど何じゃいな」とタメ口で質問。

タメ口と言っても、こちらが当然のごとく年上のジジイなので当たり前と言えば当たり前なのだが、紳士たるもの言葉には気を付けたいところだが、如何せん「酔っている」。

マスター曰く、店頭のスペースで、立ち飲みでワインを楽しんでもらいたい。しかも、ツマミだって持ち込んでいいとのこと、これは何とも小粋な店である。しかも、店内が実に上品なデザイン。奥にはワインセラールームがあって、「どうぞ入って観てください」と言われてはみたが並んでいるワインを見てもちんぷんかんぷんなのだ、すぐに部屋から退散する運びとなった。
 
しかし、飲んだワインは旨かった。本来、ワインを旨いと思って飲んだためしがない。然るにワインは社交的な飲み物であるのだから、茶碗酒に塩舐めて、とはいかない。顎をしゃくり上げてクククッと流し込む。

「フムフム、シャルドネがね」と同伴の友人が語っている。そんなブドウの品種なんぞ言うのだが、私には分かりもしない。

そこで一言、「マスター。どこどこ産のワインとか何年物のどったらこったらとか、きき酒して分かるものかいな」と質問してみた。その回答如何に「わからないよ」と直回答。「ですよね~」大声で笑いながら、そんなマスターが好きになった。

話は弾んで、二杯目と駒を進めたが、これ以上飲むと際限なく飲みそうなので、打ち止めとしたが、「ワインもいいものだ」と初心者の私もお気に入りの店が見つかり、すこぶる満足した時間だった。

そんな店Vinarius(ヴィナリウス)。ワインの味は分からないが、マスターの人柄に「旨い」と判を押そう。


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