日本橋 墨之栄
都内で飲む機会がめっぽう減った。と言うより、都内で飲んで帰るのが面倒なのだ。ほろ酔い加減の帰り道に、電車の吊革で空虚な時間を送ると、心も身体も疲れ切ってしまう。
ところが、行かなきゃ見つからな店もある。
であるから開店一番に飛び込んで、早めの退散と決め込む訳だ。そして飛び込んだのがこの店「日本橋 墨之栄」。
開店前から並ぶこと、20分。先頭で腕組して待ってると、やっと開店の時間。どどどっ、と客が流れ込むかと思いきや、一組呼んでは待たされ、次を呼んでは待たされる。
つまり、一組入ってはきちんと説明をして、次の客へと繋ぐ。てな訳で時間がかかるのだ。その説明の理由は、スタッフがその日獲れた魚をテーブルまで運び、食べてみたい魚を選ぶことから始まるのである。魚もメニューから選ぶのではく、この目で確かめてからの調理となるのだから、にくい計らいである。
その魚だが、強火の遠火でじっくりと焼き上げる原始焼きと言う方法で調理する。余分な水分が流れ落ち、表面がパリっと香ばしく中はふわっとジューシーな究極の焼き方なのでお薦めしたい。
そして飲んでもらいたい酒は、天狗舞の蔵出生酒だ。
喉の鳴る音が聞こえてきそうだ。生酒ならではの香りと旨味、充分楽しめる。 数杯飲んでから「いい酒ない?」と聞いてごらんなさい。ちょっと隠れた酒が飲めると思う。この点はメニューにないので確約は出来ないが、酒が分かりそうなスタッフに声を掛ければ奥のほうから一本出てくるかもしれない。
COREDO室町2F どうぞ、お試しあれ。
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