来年、秋篠宮佳子さまが成人となり、洋装の正装時に着けられるティアラの
製作業者に「ミキモト」が決定！と発表がありました。
そこで、当時の記録からお伝えしましょう。

昭和天皇の婚礼に、妃殿下が身につける、冠や首飾りなどは御木本真珠店が
仰せつかり、御木本幸吉は、その製作を植木徹之助他の工員に命じ、
作業前には、工員全員が水浴びして身を浄めるという日々でした。

９月１日の関東大震災を、工場隣の寮で体験した植木氏は、日比谷公園まで
やっとたどりつきました。
公園は被災民でいっぱいで、空はみるみる黒くなっていく。
この大混乱の中、御木本と偶然にも出会い、
開口一番「冠が大丈夫かどうか、工場へ帰れ」と言われたそうです。
唖然として「冠は、壊れても作り直せますが、人間の体は
つぶれたらおしまいです、私は嫌です」と断りました。
植木氏は同郷出身ということで、御木本に採用されたのです。
幸いにも冠は無事でしたが、後に植木氏は浄土真宗の僧侶となり、
徹誠と改名しました。
そして息子が、植木等氏であります。

時は流れて９０年、東北地方太平洋沖地震も、福島原発問題が長引き、
元の生活に戻るのが困難な日々、幸せを祈願して。

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