〆張鶴 純米吟醸 純 (サントリー2)
昭和4年にサントリーウイスキーが発売されることになる。試作品を飲んで、焦げくさくとても飲めたもんではない。鳥井氏は試作品の原酒を持って専門家の意見を聞いてまわった。その当時の話が残っています。
「初期のころは、こげくさくて飲めなかったですよ」
「実際飲めなかった、あの時はこらまずいウイスキーです。というわけにもいかなんだが」
「こげくさいのは、樽の中のにおいですか」
「ちがいます。麦を発芽さしたのを乾燥させるんですが、その時にピート(泥炭)のこげくさいやつがあがって、麦が死んでしもたんですな。なんぼ造っても売れへんから、ほっといたんです。ストックしているうちに、だんだん味がようなった。禍い転じて福となったんですな。サントリーの味は自然がつくってくれた」
昭和4年に“白札”発売、翌5年普及版の“赤札”を発売。まったく売れず。
その後、昭和12年に“角瓶”を発売する。時が奇跡を生んだ、その後売れて困るという事態に陥る。原酒を寝かせなければウイスキーにならないのだから、売れすぎても困るのである。
日本酒の中でも市場に行き渡らない枯渇状態の銘柄は数あれど、年々店頭から隠す酒販店が増えてきました。“〆張鶴”もその一つになってきました。
新潟県 宮尾酒造(株) 〆張鶴 純米吟醸 純
精米歩合50% アルコール分15度
1.8L 3、000円(税別)
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