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風の森 純米吟醸 雄町 無濾過生酒 (滝田ゆう氏)-2

  

滝田氏の、学生時代の戦争体験を、2回シリーズでお届けします。

なんせもう、腹減って腹減って、なにやら食べたとたんに、改めて空腹憶えて
泣きたくなる。
あの空腹時代。
もちろん、あるところには、食べたいもんはなんだってあったらしいけど、
ないところにはまるっきりない、不都合極まる、焼跡民主国ニッポン—-。

照る日、曇る日、少年はひたすら買い出しに明け暮れた、斜め斜めに、
取り締まりの網の目をくぐり、まず安全な、山の向こうに、
見知らぬ農家を訪ね歩いた。
「スミマセン。お米を少し分けていただけないでしょうか—-」
そこへ行くには、買い出し列車で何本か鉄橋渡り、○○駅で降り、
××沼を小さな渡しに乗って向こう岸へ。そこから四、五キロは歩くだろうか。

そこはいかにも遠いところへ来たって感じで、まだ赤土の石ころ道トボトボと、
その吹き晒しに木々の梢の一斉にざわめいて、
なんともはや心細いったらありゃしない。
右も左も知らない土地で、行き当たりばったりの、「お米」の買い出しは、
つらいといえば、そりゃもう大いにつらいが、それが命の親のお米尋ねてとなれば、
はや泣きごと言ってられないのだ。

黄色い粉、ガリガリ芋、油臭い豆—-と一握りの外米。
一体こりゃどうなっているんだ?
辛うじて何粒かのゴハンにありつけたとしても、腹に力の入るわけがない。

今度来るのはいつになろうか。
そっと手を置くリュックの底には白米が一升。
その上には土の匂いするオジャガと、取立ての栗カボチャ。
風呂敷の中に生みたてタマゴ—–
小舟に船頭孫娘。そして少年ひとり—-。

昭和夢草紙 「小舟に乗って—」より。

何という事でしょう!
「風の森」は昨年の10月にも紹介してました。
すっかり忘れて、美味しそうな銘柄見つけた!と有頂天になってました。

香りは際立って感じませんが、口に含むと微かに感じるフレッシュ感。
上品な甘味と酸味のバランスが見事な造りになっています。
岡山産 雄町使用

奈良県 油長酒造 風の森 純米吟醸しぼり華 無濾過無加水
精米歩合60% アルコール分17度
720ml  1、500円(税別)


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