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今錦 特別純米酒 中取り 無濾過生原酒 (秋山ちえ子さん)-2

  

お手紙拝見して、簡単には言い現し様のない衝撃を感じました。
しまったなあ、困ったなあと、繰り返して居ります。
その言葉は低俗な身勝手にひびき、またそうにちがひありますまいが、
それよりはもつとほんたうの取り返しのつかない気持ちです。

御結婚も近くに迫ってゐるのに、お心を騒がせてすみませんが、
例のDeaf-blindの女のこの小説「美しい旅」を書いて行く上で、
私はあなたを最大の頼りにしてゐました。
あなたに遠く行かれては、書きつぐことも困難なほどです。
御授業をただの一度半時間か一時間しただけですが、感動致しました。
その時のザッなノートを頼りに、三月分ほど書くことになりました。

「美しい旅」は一年半も連載して、まだ六つの女の子が七つになったばかり、
その子が年頃となり、恋もする時まで書くには、何年かかるか分かりません。
遅々として進まず、また盲唖兒の眞実を描く空想も知識も乏しく、
これまでのところは一向面白くないでせうが、私の最近の仕事では最も眞面目
なものです。
盲聾にも、この世は生きるに美しいと、この世の美しさを
書きたい理想小説です。
来年の春には、第一巻が本になるでせう。
その前に一度あなたに見ていただいて、可笑しいところを直したいと
考えてゐました。
その本の初版の印税も、全部盲唖の教育に寄付するつもりです。
しかし、あなたが遠くへゆかれるので、今は續ける気力も失ひ、虚しい失望
に落ちてしまひました。何とか立ち直りますが、あなたの助力を得られなく
なって、作品は光彩の半ばを失ふでせう。
十月七日(昭和 十六年頃)
(手紙の字体は本文のままで、一部省略しております)

秋山さんが川端康成氏と出会い、一年も経たないうちに結婚して中国に行く
ことになりました。手紙でそのことを知らせた返事がこちらの手紙です。

最近、川端康成氏の投函されなかった恋文が公開されました。
秋山さんへの手紙も作品に対する思い入れが強く印象に残ります。
いずれも、貴重な手紙でした。

又々、素敵な銘酒を発見しました。
おたまじゃくしは無濾過生原酒の滓がらみです。
その第二弾が、妹分として発売の「中川村のたま子」
甘いフルーツ系の香りが嬉しい女性受けする優しく飲みやすいお酒です。
長野県産の美山錦を使用しています。
もちろん冷で召し上がりください。

長野県 米澤酒造  今錦 特別純米酒 中取り 無濾過生原酒 中川村のたま子
精米歩合59% アルコール分17.5度
720ml  1、747円(税別)


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