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金龍 純米吟醸 (芥川-2)

 

結婚したのは、大正七年二月、亡くなった田端の家が新居となり、
三月から一年間、鎌倉の大町に二人で住んでいました。
既に、新進作家として騒がれていたので
「こんなところにいては時代におくれてしまう」
といって再び田端の家に帰りました。
亡くなる年の前あたりに、何を思いだしたか、急に
「鎌倉を引き上げたのが一生の誤りであった」
といったことがあります。

家では九時あるいは十時頃、朝の御飯を食べるとすぐ二階へ行って昼までそのまま、
午後も再び二階へ上がって下の物とは全然交渉がありません。
酒は一滴もやらず、食べ物なども特別やかましくありません。
御飯の時も必ず本を読んでおりました。本は多く洋書でした。

「文壇なんてとても大変なところだよ」といい、
そして、「僕は三十六歳だが精神年齢はは五十歳以上だ」といったことがあります。
原稿を書くということは大変苦労なことで、
書斎には書き損ないの原稿紙が沢山出来ておりました。
一つの創作に取りかかりますと、机の上、身のまわりには、
書籍や書き損じの原稿用紙がたくさんに散らかっています。
仕事中に人を呼ぶことはほとんどないのですけれど、慌ただしく私を呼ぶ時があります。
今見ようとする参考書がない、私が掃除の時にでもどこかへ
やってしまったと思い込んでいらいらして当たりちらし、
「これで一つ駄目になってしまった」とさえ言い出し、大不機嫌になってしまいます。
いつも仕事中に自分でその本の位置をかえてしまっているわけなので、
ちょっと探せば出てきます。そういう時の照れ臭がり方。
かえって私の方が決まり悪くなって、さっさと一階におりて来てしまいます。
1949年12月 芥川 文 「二十三年ののちに」から。

南部流の造りを継承している、一ノ蔵のもうひとつの蔵です。
穏やかな香りと上品さは他の追随を許しません。
生産量が僅かで契約酒店のみ販売です。

宮城県 一ノ蔵   金龍 純米吟醸
精米歩合55% アルコール分16度以上17度未満
720ml   1、429円(税別)

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