17万人の声が代々木を埋めた
代々木公園の入り口には、人の波が溢れていた。
会場へは当然入ることができない。それだけの人が集まりに集まった。
さよなら原発10万人集会に私も参加した。
すれ違う人と肩があたり、前が一歩詰まれば身動きできなくなる。
会場近くまで進んだが、それ以上はどうしようもない。
訴える人の声は、会場の外に用意されたスーピーカーから聞き取ることができる。
瀬戸内寂聴さんは「政府の方向をかえることになるか、わかりません。それでも集まらなければならない」、
と90歳になる声に力がこもる。作家の落合恵子さんは「たたかうことを生きる誇り」と、焼け付く青空にその声を轟かせた。
そして公表された参加者の人数は「17万人」。主催者の発表に割れんばかりの拍手が重なった。
デモに向かう隊列のノボリに書かれた県名には福島も岩手もあった。
遠い震災の地から、「原発NO!」の声を届けに、駆けつけたのだろう。
そのノボリに胸が熱くなったのは私一人ではないはずだ。
さすがのテレビも報道しない訳にはいかずニュースで流された。
若者がインタビューに答える。「原発反対だから参加したんですが、あのノボリ何とかならないっすかね」と…。
若者よ。気持ちは分からない訳ではないが、このオヤジはあのノボリを見ると心が熱くなるのだ。
「そんなの古いんだよ」ときっと言うだろう。
しかし、何十年もの運動の歴史が、あのノボリに刻まれていることも忘れないでもらいたい。
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