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地酒祭り「秋の陣」無事終了

  

10月22日。ホテル「メトロポリタンエドモント」で開催された「地酒祭り」は無事終了した。

「終了した」と書くと、まるで自分が主催者のように聞こえるが、「とんでもない」少々お手伝いしただけである。

運営スタッフの一員として、来場者の方にお酒の説明をしたまでである。

そして受け持ったブースは燗酒のコーナー。銘柄は北は北海道「国士無双」から南は福岡「独楽蔵」まで23種類。

来場者は900名を越えるという、大所帯の中での酒祭り。ツマミの肴を手にしてお猪口片手に右から左に利き酒のし放題である。

20代から70代まで年齢の幅は大きく広がる。主催者の目的は、この酒蔵の中から入賞銘柄を決めようという狙いもある。

冷酒に燗酒、チーズ摘まんでどのお酒。松前漬けでは、いかがなものか。その選択枝は様々である。

来場者の半分は、飲食店や酒関係の業界の方のようだが、酒を選ぶ時に質問される最も多い言葉は「お薦めの酒は?」その一言から入る。中には他の銘柄も見ないで「北海道この前行ってきた」国士無双?てな銘柄選びも。

実に面白い。

中には摘みは食べずにお猪口一つで酒だけを味わう人もいる。そんな方には燗酒の旨味が滲み出てくる飛騨高山の「深山菊」を薦めた。
「旨いね」と頬を緩めてもらえれば「そうでしょ」と協調の笑顔である。

若い人には高知県の「辛口男酒 純平」辛口の醍醐味を味わい、栄川「本醸造ぎょく」と酸味の後味でキレの良さを含んでもらう。

マニアックなお客にはオーバルワンの「ジェイコード202木桶仕込み生もと純米古酒5年」を燗付けて、ググッっと攻めてみる。その反応がまた楽しみ「どうだい」と睨みを利かせれば「あんたも、やるね」と無言の語り。この阿吽の呼吸は、酒好きでなければつかめない。

されど、燗つけるの忙しい。23銘柄熱燗で出しては申し訳がたたない、ぬる燗の40度程でクイッと薦めたいので少々待たせるのも芸のうちだ。

そんなやり取りで4時間。気づいた時には終了のコールが鳴り響いていた。

日本酒の味わいに、そして燗酒の深みに喜びを感じて貰えたのだろうか。

肩を並べてスタッフの一員として協力した面々は、全て日本酒学講師や酒匠の有資格者たちだ。しかし、語る言葉に専門用語など一言も出てこない、ただ旨い酒には「いい味だね」その語りと笑顔だけだった。

必要以上の言葉の羅列は、いい酒にはまったく無意味だと、そう実感したのが地酒祭り「秋の陣」での収穫だった。


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