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京都島原そして輪違屋

  

もし京都に行くなら、どうしても観てみたい一角があった。京都の花街「島原」である。今でも、江戸の残像として島原大門が、凛とその姿を京都市有形文化財として眼に焼き付けさせてくれる。

輪違屋

しかし、その周りには普通の住宅が立ち並び、かつての面影は「角谷(すみや)」と「輪違屋(わちがいや)」だけに残るのみである。浅田次郎著の「輪違屋糸里」を読まれた方は、その言葉を聞いただけで胸躍るだろう。

新選組と京の街、置屋の輪違屋には糸里と呼ばれる芸妓が一輪の花を添えている。その裏側で新選組、芹沢鴨の暗殺計画が進んでゆく。歴史が大きく動こうとしている時、若き志士たちは苦しみもがき、日の本の夜明けを思い悩んだことだろう。その陰で泣く、女たちの哀歌も京の街から聞こえる気がする。

満る安

そんな京の街を望みながら、帰りには京料理の店、「満る安」に立ち寄るとしよう。日本文化の礎を築いた平安時代から、営々と受け継がれてきた伝統文化を、ぜひ京都へ来て体感してもらいたい。京料理と言っても、そんなに心配することなく値段も手頃である。暖簾をくぐって、寒い京都の夜に燗酒でも注文してもらえればご機嫌である。

京都市下京区中堂寺前田町3、島原大門からも歩いて行ける距離である。

今夜は、「おこんばんわ」の柔らか口調に酔うとしようか。


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