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登戸 菌屋

  

向ヶ丘遊園北口を下車すると、街並みが様変わりしている。駅前区画整理の流れがここにも起きていた。

駅前に大きなバスのロータリーが出来て、これから開発が進むのだろう、あちらこちらは虫食い状態に戸惑いを感じている。そんな中、奇妙な店を発見した。

発酵がテーマの料理茶屋「菌屋」の出現である。そもそも発酵は酒の世界では当然のごとく関心も高まるところだが、酒だけでなく人間世界には様々な場所で発酵が機能している。

発酵が畝がされれば新たな食の菌の世界にいざなわれる。その一方で腐敗となれば異臭が伴う食とは縁遠い環境になる。そう考えると菌の働きは使いようによってはどちらにも転ぶ何とも奇妙な存在となる。

そんな奇妙な生き物を扱うのが「菌屋」のテクニックである。小田急線「向ヶ丘遊園」駅 北口徒歩1分の場所、2階でひっそりと営業を続けている。

しかし店内は、ほぼ女性で埋め尽くされている。発酵と菌この二文字に女性は見事に反応する。子供を育む女性にとって食は生命の維持だけではない何か異次元の世界に目を向けているのかもしれない。

店内に入ってツマミを注文しよう。「アボカドぬか漬け」もいける一品だ。5年もの糠床で乳酸菌たっぷりのアボカド。普段食べられない品だと思うが如何なものだろうか。

八丁味噌玉子ポテサラ 680円。これもスパイスが効いていて、なかなかな味わいだ。

さて、そこで飲み物だがワインもそろっているが、お勧めの酒は「あまみ甘酒」これがなかなか気持ちが入っている。あまみは奄美である。奄美の黒糖焼酎を手作りの甘酒に割って氷を浮かべて煽り続ける。

黒糖焼酎が酔いに拍車をかけるが甘酒に翻弄されて3杯飲み続けたが飲むごとに健康感が湧き出てくる。

黒糖焼酎で割っているのであれば、奄美の焼酎があるのかと思いきや、これが魔訶不思議、奄美の酒は置いていない。何とも不可思議な店であるが、これがまたいい。

どうだろう。居酒屋で油物ばかり食って決して体にいいものとは言えないものを頬張っているが、たまには健康志向で「菌屋」の食事と酒を味わってみるのも決して悪くないと思うが、いかがだろうか。


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