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アンテナショップ 奄美

  

私には故郷がない。生まれは東京、その後全国各地を転々として現在の居住地がある。

「俺の故郷かい山と川だけだよ。何にもない所だよ」と答えるその言葉さえない。東京は故郷ではない。

そんな私にも奄美大島という故郷と言うにはあまりにも大きくインパクトある環境を私は勝手に故郷と呼んでいる。相手の奄美が何と思っているか知らないが、勝手に自分で故郷と呼んでいる。

とは言いながらもたまに帰ると言う場所には遠すぎる。そこで、奄美大島の食材が食べられる居酒屋はないものかと調べてみると「見つけたり」。

その場所は吉祥寺のハモニカ横丁に存在した。「アンテナショップ 奄美」。そこで早速出発、しかし、吉祥寺に到着したのが午後1時過ぎ、店の開店は夕方6時から、「こりゃまいった」。

と普通は思うのだが、吉祥寺には昼から飲める環境が数多存在する。そこで昼飲み居酒屋に飛び込んだ。ポテトサラダ150円の安い店。続けて井之頭公園入り口の焼き鳥屋。あまりにも有名なので、名前は出さない。

さらに井之頭公園内のレストラン風な店で、何だか忘れたがここでも乾杯を繰り返す。そして近づく夕方6時、目的の「アンテナショップ 奄美」に足は向く。さりとて4件目の目的地に着くころには完全に酔っぱらっている。

それでも、急な階段を昇りながら店内に到着した。三線の響きが店内にこだまする。ちょっと凄みのある店主が睨みをきかせているが、たまに笑顔も見せてくれるので、害はないと思う。

取り敢えず黒糖焼酎「龍宮」をたのむ。勿論ロックで注文、そして油ぞうめんをツマミにする。

油そうめん(油ぞうめん)とは、奄美大島の郷土料理である。ソーメンにだし汁を加えて軽く煮るのだが、奄美の店に行くとどこでも食べられる。だが、店によって全部味が違うので、幾度も楽しめる。

そして店内で売っている黒糖豆を手に取り小皿に広げ、ポリポリと食べだしたが、これが旨い。黒糖の味は奄美の自然を体に焼き付けてくれる。ポリポリ、ズルズル、ゴクゴクと黒糖焼酎と豆とソバを交互に頬ばっているうちに夜は更けてゆく。

スッカラカンになった財布片手に帰路に就いたが、地元でもう一軒寄って帰ったようだ。我ながら5軒の梯子酒には呆れてしまった。


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