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TRY BAR

  

小田急線町田駅から徒歩1分の場所にあるのが、TRY BAR。読んで字のごとくBARである。

「何、お前には似合わないな」と言いたいのだろうが、私だってバーに入る時もある。年がら年中、居酒屋で屯(たむろ)している訳ではない。

たまにはウイスキーグラスをカラカラ言わせながら琥珀色の酒を喉に流し込み、少し眉間に皺なんぞを寄せながら大人の時間を楽しむ場合もある。

そんな時に立ち寄れるのが「TRY BAR」である。たった一人でカウンターの止まり木に腰掛けながらグラスを傾けていても違和感はない。

後から来た中年の外国人は一杯ひっかけたら直ぐに店から出て行った。そんな飲み方が出来るのが洋酒文化のなせる業なのだろう。

この頃、この手の店で酒を飲むことが無くなってきた。老いたる姿に洋酒は似合うと思うのだが、それとも容姿がその手の顔や姿でないとパッとしないのか、どうしても足が遠のいてしまう。

であるから、たまには重い扉を押しながら「山崎 ロックで」なんて言うのもお洒落じゃないか。

今回は「白州」をゆっくりと舌先で転がしながら楽しませてもらった。大きなグラスに大きな氷、氷の表面に店の電灯が反射して幻想的な絵画をグラスの中に落としてくれた。喉元に少し焼けるウイスキーの度数が心地よく感じられる。

流れる音楽はジャズか。

少し贅沢に酒飲む時間を満喫するのも、幸せと感じる酒飲みのひと時のようだ。


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