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桜木町「be Rock」

  

店には様々なパターンがある。

「こんな店二度と行くかよ」と怒りを感じる店。
「何だか分からないけど面白かったな」と思いつつも、二度と行かない店。
「成熟していないけども、この店は支えたいな」と感じる店。

上げれば、沢山の感じる店がある。
店主のこだわりや、な~んもこだわりはないけどやたらと安い店。

そんな店を歩き求めて40年。
たまに、身近な店で常連を気取って飲んでればいいのに、
と思うのだが「こんな店がある」と聞くと足が向いてしまう。
根っからの浮気性のようだ。

 

桜木町。
横浜と聞こえれば、ちょっとお洒落な街を想像するだろうが、この街。
結構愉快である。
海側とは逆方向、桜木町1丁目。
「これ、横浜?」と目を疑ってしまう町並みがある。
レトロな昭和の飲み屋街が、今だ健在。歓楽街ここにあり。
アドマチック天国と我叫ぶ。

そんな、一角に「be Rock」が店を構えている。
ただ、入口に看板が有る訳でなく、暖簾も見当たらない、
ただあるのは民家の玄関だけ。

さすがに店が分からなくて対面の店で尋ねれば「真向いですよ」
と指差されてる先は、ただの玄関。
確かに名刺サイズの店名が小さく軒先に掲げてあった。

 

「be Rock」の店主は語るのである。「入口と店内の差が面白いでしょ」と…。
確かに面白い。その感覚を裏付けるように店内の撮影はご法度である。

カウンターから望む酒は、ご機嫌である。
天明・相模灘・写楽・大信州・来福とさらに冷蔵庫はうずめきあっている。
肴も酒に合う料理をチョイスしている。
チーズの味噌のせは古酒とベストマッチだ。
厚揚げの大吟醸粕漬け焼きは生酒の旨みと粕の甘みが、ほろ美味く調和する。
カツオの塩漬けも、なかなかの珍味である。
ただ、一言。
ガッツリ食べたいと思ったら他の店で腹に詰めてから来たほうがいいかもしれない。
勿論、ビールなど無粋な飲み物は置いていない。
禁煙は当然、香りの強い香水もご遠慮願う。

この徹底ぶりは「敬服である」。
酒の種類にあった、ワイングラスが提供され、
その味をテイストする店主は美装である。

そんな店。
ジャズの音色が心地よい。
7席の小さな店。
「成熟していないけども、この店は支えたいな」と感じてしまう。

実に、洒落た店である。


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