映画「無能の人」で、石の会の会長役を演じたエピソードから。
竹中直人さんが、「無能の人」に出てくれというから、
「だめだめ、僕は芝居下手だから」と言ったら、「芝居されちゃかえって困る」
「じゃあ、何でおれが出るの」と言ったら、「その顔が欲しい」それで、
石の会の会長という役ででることになった。
実際、手取り足取りの演技指導がありましてね。
我々の常識的な演技プランじゃないんですよ。たとえば、
はじめて竹中さんが僕の所へ来て挨拶する。
そのときに僕が偉そうに「よおっ」と言うシーンなんですが、
「もっと大きくやれ」「よおっ。これくらい」「いや、もっと大きく」「へえ」
と思ったけど、言われるように大げさに「よおっ！」とやって、
やっとOKになった。
映画が封切られてしばらくしてからですが、電車の中で、
親に連れられた知らない男の子が僕の顔を見て、「よおっ」と言うんですよ。
どうも「無能の人」を見たらしいんです、まだ小さい子どもが、
あの場面を大きな印象で受け止めているわけですよ。
竹中さんの演出というのは、ぼくらにはちょっと理解できない、
もっと先を読んでいるなという気がしましたね。

マルセ太郎氏、２００１年１月２２日逝去、すでに１３年経ちました。

香り穏やかで軽快なキレ味　Ｍ310という「味わいで勝負の酵母」
で造られた限定酒　（水戸の蔵元が分離したので３１０）

埼玉県 天覧山醸造元 五十嵐酒造 五十嵐 純米吟醸直汲み 無濾過生原酒
精米歩合５５％ アルコール分１６度以上１７度未満
Ｍ310　1.8Ｌ　　２，９４０円 (税込）
限定３００本