まんさくの花蔵内限定酒
お盆の真っ最中、読者の皆さまはいかがお過ごしなのだろうか。
帰省中の方は、郷里のパソコンで…。今日も仕事というお仲間は、職場のパソコンでご覧頂ければ幸いである。
さて、この頃きちんと日本酒の話を書いていなかった。書いていないと言うよりも、書く気がなかったと言う方が相応しい。
酒の話ばかり書くのは能がないので、ちょいと寄り道をして東京界隈を歩いてみたりした。
そんな中、飛び切り面白い日本酒と出逢ったので是非お知らせしたいと筆を取った訳である。
その酒「純米吟醸生原酒」のまんさくの花である。
これだけなら、何にも面白い所はないのだが、この酒の仕込み年月は平成18年12月なのである。
「ゲゲゲッ…。」と雄叫びを上げたくなるのは少々酒に詳しい輩だろう。
つまり5年前に造った酒を、今売っているのである。
これ間違って販売しているのではなく、意図的な作品であるから、興味は爆発状態である。
しかも、生酒。ここまで来ると「何じゃ!」と思うだろう。
説明すると長くなるので、一言で言えば。生酒は火入れをしていないので長期間の保存はなかなか難しい。
この夏過ぎれば、「ひやおろし」も出荷されるが、それでも「生詰め」「生貯蔵」で一度は火入れをしている。
つまり生原酒のままで、何年も保存するというのは実に勇気のいる酒造りといいたい。
もし、古酒として販売するなら当然値段まで跳ね上がるのが普通であるが、このまんさくの花はいたって購入しやすいリーズナブルな金額となっている。勿論「古酒」などと銘柄を限定していない。
酒屋の主人は胸をはって薦めた。「一日目の味より二日目。三日目にはもっと旨くなっている」と…。
その言葉、身をもってこの舌が証明させてもらった。
開封した翌日の味は、「えっ、これが昨日の酒」何ども唸りながら酒を舐め続けた。
5年間寝かせた生酒。その味は、あたしの酒の知識を既成概念からひっくり返す「銘酒」として語りかけてきた。
「蘊蓄語って酒を飲んでる場合ではない、もっと酒を学べ」頭をガツンと叩かれた思いがした。
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