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島根県簸上(ひかみ)清酒「七冠馬」(ななかんば)特別純米

  

この簸上清酒は実に面白い蔵である。

というのも、泡無酵母発祥の地なのである。聞きなれない言葉かもしれないが、私自身この泡無酵母とやらは、始めて聞く言葉であった。

「普通ならば酒樽いっぱいに真っ白な泡があるはずなのに、時々それが出来ない樽がある」。このことを簸上清酒の先代、田村浩三氏と杜氏の立石杜氏が確認するのである。これが原酒の発見である。これに興味を持たれた当時の東京滝野川・国税庁醸造試験場技官 秋山祐一氏(元 財団法人 日本醸造協会会長)が研究。改良を施し、現在の協会が誕生したのである。

つまら、発酵の時に、あのブクブクと立ちのぼる泡が出ないというのである。

なんとも、不思議な酵母ではあるが、こうして造られたお酒が「七冠馬」とういう訳だ。

この「七冠馬」という名も、ふるっている。

日本の競馬史上最強の牡馬、七冠馬シンボリルドルフ号。その流星の如く鮮烈なきらめきにイメージを重ねた日本酒が「七冠馬」だというのである。

まあ、洒落っぽいというか、そんな銘柄も「ありかな」と口にした訳だが、これがまた、いけるのである。

辛口なのに何とも旨味が心地よい。無理が無いと言おうか、スーと酒が勝手に吸い込まれてくる。

松本年正杜氏が語る。「私の酒造りは『蒸し米造り』が一番大切と考えます。蒸し米造り、すなわち『麹造り』だと考えます。麹造りにこだわりを持ち、『まろやかで後切れのよい』酒造りを目標に、日々精進して行きたいと思います。」と…。

その精進した味わいは、飲み手に喜びを伝えてくれた。今夜もいい酒が飲めたことに感謝する


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