小田原漁港「魚市場食堂」
小田原から東海道本線で一駅、早川駅で下車してみよう、一歩あるけば港が見える。
漁港となれば、刺身に天ぷら、金目にカマの塩焼き、想像しただけでよだれが流れる。旨い魚が食べたい、そう思いながらも一度も行ったことがなかったのが小田原漁港であった。
小田原と言えば、蒲鉾に魚の開き、駅前にはそんな店が立ち並ぶ。とは言いながらも漁港に足を延ばす人は少ないのではないだろうか。お隣の駅、早川に漁港があること自体を知らないのだから仕方のない事かもしれない。
と言う事は、小田原漁港は穴場なのかも知れない。と、勝手に決め込んで早川駅を散策することに決めてみた。
駅を降りて数分、海の香りにつられて道を下れば港が広がる。しかし実に静かな港町だ。勿論朝の遅い時間帯なので魚場も終わって閑散としているのも止む無しか。
それでも、鼻の先にぶら下がる数件の店が目に入った。選ぶ先は「魚市場食堂」、階段を昇れば気持ちも高揚してくる。そんな2階の食堂には自販機でチケット購入、少々色気がないが味は上々である。
アジのフライで生ビールを浴びることにした。日本酒は無いのかと自販機を探せば、地酒とある。地酒とは実に曖昧な表現ではあるのだが、ただ1本「曽我の誉」が鎮座している。
そうだ、この曽我の誉は曽我の梅林近くで造り込む石井醸造である。そして、この蔵「四段仕込み」で酒造りをする。ご存じの通り4回目の仕込みにもち米を使う。
その酒とあわすは金目鯛の開き、身のほぐれ具合が何とも堪らない。店内の客数も昼に近づき増え始めていた。最後に生シラスをつまみとして〆とした。
平日の昼間。好きな肴に好きな酒。実に心地よい一日を過ごすことが出来た。酒って「いいな~!」。
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