【追悼】David Crosby(デヴィッド・クロスビー)
「悲しい、あまりにも悲しい」
現地時間1月18日デヴィッド・クロスビーが亡くなった。享年81。
ザ・バーズやクロスビー・スティルス&ナッシュのメンバーとしてロックの殿堂入りを果たしたデヴィッド・クロスビー。
彼のマーティンギターを抱えての演奏は、憧れであった。12弦ギターをこよなく愛したといわれている、あの音。そして変則チューニングを駆使したコードセンスはたまったものじゃない。「ジャリーン」と弾いた時に広がる余韻は、これがギターの音色かと耳を疑うほどの音色を響かせる。
そんな素晴らしいミュージシャンが、また一人去っていった。
あのウッドストックを思い出してもらいたい。アメリカのニューヨーク州サリバン郡ベセルで開かれた大規模な野外コンサート。約40万人の観客を集め、アメリカの音楽史に残るコンサートになる。その舞台でスティーヴン・スティルスがイントロを引き出す、あの名曲「Judy Blue Eyes」は会場を沸かせた。
ポール・マッカートニーによって書かれた「ブラックバード」を演奏する彼らのハーモニーは身を震わせる。ニールヤングを加えたCSN&Yは、また一回り音とハーモニーの幅を広げた。
今でもポケットに手を入れながら歌うクロスビーの姿が目に焼き付いている。
そして、クロスビーが愛したマーティンのいくつかを紹介したい。マーティンD-45、69年製を3本。87年には50本限定生産のD-45LEそして91年にやはり50本限定のD-45KLEその他12弦ギター等々、ギター好きにしてみれば喉から手が出るほどの愛器を弾きこなしている。
ドラッグ中毒や内臓疾患に悩まされながら刑務所に入った時期もあったが、彼の音楽性は多くのミユージシャンの共感を得、仲間たちが彼を助け復活を支えた。
今ではユーチューブで彼の演奏を再現することが出来る。その映像を見ながら横で妻は化粧水で顔をはたいている。
「悲しくてやりきれない」と濡れた横顔に伝えると、「やりきれていると思うよ」。だそうだ…。
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