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有名銘柄の空き瓶

  

非常に複雑な気持ちでこんな話を書いている。「日本酒の有名銘柄の空き瓶が売れるとさ」。

実は、知人の寿司屋職人と話をしていると、「空き瓶や空き箱が売れる時代ですよ」と呆れ顔で話は続いた。

そこで検索サイトで調べると「あちゃ、本当だ売ってるよ。へ~」誰が買うんじゃい。と疑問に思ったが、売買されているのだから仕方がない。

勿論、コレクターとして年代や形状、サイズ、色などに注目して収集する人は当然いるだろう。酒にも独自の歴史を持っていることを考えると、ある意味分からない訳ではないが、しかし、しかしだよ。

その値段たるや。中身が入っているならいざ知らず、空き瓶だぜ。それが数万円の価格で出されているとは、「はあ~」である。

ただ、下卑た考えだが。

たまに居酒屋の冷蔵庫に有名な日本酒が置かれている時がある。「ほ~、いい酒あるじゃん」。当然ではあるが注文するわな。少々値段は張るがそれは仕方がない。

注がれて舐めて驚いた「これ、違うじゃん。この酒じゃないぞ」我が舌を疑うが…。勿論ではあるが、この手の店には二度と入らない。てな事に有名銘柄の空き瓶が使われることがない様に切に願うのである。

「中身なんて何入れたって分からないんだからさ~」そんな事を考えていると店は潰れるぞ。かつての安キャバレーじゃあるまいし、瓶はオールド中身ときたら、てな事はあるあるではあるが、普通の居酒屋でこれは無いと考えている。

飲み手をなめるなよ。分からないで飲んでる奴は、そんな有名銘柄の酒を注文しないのだよ。ただ、女性が横にいると状況は少々変化する。

「これはさ、どこどこの銘柄で」なんて蘊蓄ほざいてる奴がたまにいるが、「あっ、俺だ」。そんな輩には少々高めの酒でも、胡麻化して飲ましときゃいいのかもしれない。

しかし、この頃の女性も「酒には詳しいぞ」。


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