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街が変わりつつある

  

JR蒲田駅、降臨。久しく行く機会がなかったが、蒲田駅に降りるとイメージ的には商業の街という感覚が心の中にある。きっと個人商店が駅から広がり、居酒屋には溢れんばかりに人が盃を交わす。もっとも憧れる街の雰囲気だと思ったが、どうもそうではないらしい。

駅から東口商店街を歩いてみたが、雰囲気が違う。悪くはないのだが、立ち寄る気持ちが奮い立たない。時間がまだ昼間のせいかと思ったが、そうでもないらしい。やはりチエーン店が多いのか。

そんな商店街を抜けて、京急蒲田駅まで足を延ばしてみたが、目に留まる飲み屋はことごとく店を閉めていた。開店前ではなく、廃業の跡だ。

かつて蒲田の繁華街は、新宿に次ぐ賑やかな街だったと聞く。しかし今は、そんな面影もない。勿論見た感じなので、「もっと面白い場所があるよ」と思われる方にはご勘弁願いたい。

こんな時には飲み屋の暖簾をくぐろう。小さな居酒屋で止まり木に座って店主から状況を聞くことにした。「どうです、儲かりまっか」ひしゃげた口元からは「とんでもねえよ、お客さん。消費税の増税とコロナでお手上げだよ」

注文した刺身を頬張りながら「でもコロナで給付金入ったし。結構助かったんじゃない」「お客さん。金が入ったって、その4割は税金で持ってかれるんだぜ」信じられるかい。と手にした包丁を振りかざして啖呵を切る。

「お客さん聞いてくれるかい。給付金貰ったけどさ、休業しろってんだから休んでいても、家賃は払うし。休んでる間、従業員の給料だって出るしさ。」確かにおっしゃる通りだ。

「この店だった、つぶれねえのが不思議なくれえだよ」と何とも気風のいい語り口調で店主は唸る。

蒲田の街の変化は、此処だけの話ではないだろうなと思いながら語る言葉に盃を重ねた。

そんな時、友人から高知の「ひろめ市場」の写真が飛び込んできた。ウナギ食ってアナゴ食って、大繁盛の店の前には昼間っから酒盛り状態だそうだ。蒲田とはエライ違いだなと思いつつ、そうだ熊本の歓楽街も実に賑やかだった。

なぜこうも違うのか。

こりゃ東京都内の居酒屋を、もう一度渡り歩く必要があるかもしれない。


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