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並ぶ酒の種類

  

どうだ、このラインナップ。店先のテーブルの上にはここ狭しと一升瓶が並ぶ。右からいこうか、「乾坤一」「美丈夫」「南部美人」と続いてetc.…。6本もの酒が鎮座する姿は絶景である。

さて、この酒。目の保養に置いている訳ではない。これから飲むのである。勿論、6本もの酒を一合ずつ飲むわけもいかず、少々小ぶりな90㏄の猪口でいただくことにする。

それにしてもなみなみ注がれる猪口は、表面張力によって酒同士が引き付けあい、表面が猪口からこぼれることなく、こちらの口元を呼び込むのである。

こうなると、こちらから向かうしかない。口先を尖らせて「ズズズッと吸い込む」舌の先にほとばしる吟醸香は天国への近道と表現したくなるほど旨い味だ。至福なんて言葉じゃ表せられない素晴らしき一献である。しかも、 この連続が6回続く。

勿論酒の種類はこんなものじゃない。冷蔵庫の中には、数十種類の酒がひしめき合っている。しかも、その酒はきちんと状態を管理している。

「なんていい店なんだ」声を掛ければ、こんな調子で酒を並べてくれる。しめて三合の酒を飲み終えた時には、酔いが回って次のラウンドに進むことはできなかった。

こんな威勢のいい店がとある場所にあるのだが、その名は「教えてやんねェ」。ケチ癖え話と思うだろうが、変にこんな話題が広がると、癖の悪い客が「俺にも飲ませろ」なんて偉そうにほざく輩がいるので、絶対に教えない。

我々仲間内では、この店に敬意をはらい、盆暮れには付け届け、旅に出れば土産の数々、そして感謝を込めて飲み明かすのである。

年末には常連も多く、何と1日で30本もの一升瓶が空いたのだから驚き桃の木山椒の木である。

我家の台所はこの店とうたっているのだが、そんな店を一軒でも持たれる事をお勧めする。

それが、酒飲みのステータスと思うのであるが、いかがなものだろうか。


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