Far East Cafe
長い人生の歴史の中で、思い出すことは数多ある。勿論、楽しい事も悲しい事も、それは誰もが抱え過ぎ去って行くひと時のようなもの。
先日、オリンピックの放送が番組を埋める中、全く持って季節外れの番組が目に入った。「輝き続けるオフコース」。
「何、こんな時期にこんな番組やるの」と言いながらも、当然のごとくチャンネルを合わせた。
その番組では、その「伝説」となったコンサートの歌唱映像や、「スペシャルトークセッション」など、彼らの魅力を語り届ける。
さらに財津和夫氏(チューリップ)が、インタビュー出演。盟友・オフコースを語る番組である。
そんな番組を見ながら、改めて小田和正氏の繊細な歌声、そこに重ねるように鈴木康博氏のハーモニーが、まるでダビングしたように一つの和音として波紋を広げる。コード進行の絶妙さは今も変わらないが1970年代に書き連ねた曲目の中にも、練りに練った芸術的な作風がある。
曲の途中で転調するのも、そんな一つだ。「誰が考えたのか」そうため息が出るほど小田氏の曲には見事すぎる計算がされている。
「よくぞ、この曲が書けたものだ」そんな驚きは、私だけの思いではないはずだ。
そんな沢山の思いを抱きながら表参道にある「Far East Cafe」に足を向けた。青山学院大学のすぐ横に店を構えている。
大げさに語れば、小田和正氏の聖地とでも言おうか。ファンたちがこっそり訪ねるそんな店である。名前の如くカフェでもある。
店内の撮影は本人が写真に納まれば撮影可能だが、本人なしでは禁止。であるから訪ねるしか店内の様子を見る事はできない。
行って見れば感じる事ができる。小田さんの声と、オフコースの思い出も、コーヒーの匂いと共に包み込んでくれるはずである。
そして月日の移り変わりを実感してもらいたい。しかしその店には、残念ながら酒は置いていない。
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