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品川 跳魚(はねうお)本店

  

190709

江戸の時代品川といえば東海道江戸口の一番目の宿場町。江戸の港町でもあった品川。とはいいながらも駅に降り立ってもそのような風情は感じる事さえできない。勿論、駅前だけ見てるようじゃ、それは仕方のない事かもしれない。

まあ、兎にも角にも海のものをツマミながら、喉元を湿らせたい。それが品川で下車した理由でもある。

さて、どこがいいかと散策していると、品川駅港南口より数分歩いた所に「豊洲直送鮮魚とお酒の店」を発見。セブンイレブンがある、地下に潜り込んでいた。

「ここはいい感じじゃないか」と鼻を鳴らすと、体が吸い寄せられるように背中を押される。足は前へ前へと進むうちにテーブル席へと案内される。店内は広々としていていい感じ。魚が絡むと居酒屋風の賑やかさが頭をよぎるが、この店ゴージャス感もあって、行けてる感じ。

では、最初に一杯。メニューを開くと日本酒に「風の森 純米吟醸 雄町」とある。これはご機嫌だ。風の森を店内で飲める店は数えるほどしか知らない。飛びつきたい気持ちで声をかける。ほんの少しのガス感が鼻先をくすぐりながら流し込む、「旨い!」。

こうなれば「豊洲直送鮮魚」とやらと対面せねばと注文すれば、駅売りの弁当屋のごとく首から下げた四角い木箱に魚を並べて「さあどうだ」と品定めをさせてくれる。「この鯵200円でどう」と誘われれば「塩で焼いてよ」とお決まりの返事を返してしまう。

焼きあがるまで「そんじゃ十四代の本丸。一本たのまあ」と、十四代と出会った感動はひた隠しにして当たり前のように注文する。味は、お決まりの旨さ。これが本醸造だとは思えない。

さてさて、塩焼きが上がってきた。ふっくらと仕上がった鯵の身に箸を加えれば、やんわりと湯気が立つ。含んだ味は実にまろやか。塩味と焦げ目、そして流れる吟醸香はロマンの世界だ。

一軒の店であまり長居はしたくない。暗くなるうちに次なる店を散策に歩こうか。

丁寧に店先まで見送られて、頭を下げられた。「風の森旨かったね」と声を掛ければ満面の笑顔で返事をくれた。

また、いい店がみつけられた。


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