>自動翻訳機能について

カンパイ! 世界が恋する日本酒

  

180828

映画で日本酒を伝える。そんな思いにカメラを回したのがLA在住の映画ジャーナリスト小西未来氏である。

誰もが知っている日本酒、下戸でないかぎり必ずや口にするその一杯が、なぜだか評価の高低には差がありすぎる。我が日本人、その価値に目ざめよ。と叫びたくなるのだが、高らかに声を上げたのはイギリス、アメリカ、日本、3人のアウトサイダーたちだった。

外国人として初めて杜氏となったイギリス人のフィリップ・ハーパー氏。京都の蔵で半裸で麹菌を振る姿は、発酵という妙技に取り憑かれた業師を見る思いに駆られた。

アメリカ人ジャーナリストのジョン・ゴントナー氏は、執筆や講演で日本酒を語り伝えている。日本文化を伝道するのは私たちではないか、しかし彼の語る言葉には私たちが今語らなければならない大切な文言が埋め込まれている。

そして老舗酒蔵を継ぐ南部美人五代目蔵元の久慈浩介氏。世界に向けて日本酒の魅力を伝えるために飛び回る。その姿には感動があり、思いの大きさが伝わってくる。蔵元でタンクの横でカメラに向かって話す時、何度となく「もう、辞めてしまおう」と零れる言葉に、胸が締め付けられる思いになる。蔵元の息子というレッテルからいつも飛び出したいと願いながらもその剥がしきれない重さは年と共に増し続けるようだ。でも、発酵を止めないモロミのように、久慈浩介氏も進化し続けている。

三人を繋ぐ日本酒の世界。複雑で微妙で、あまりにも美しい日本酒の旨みが、知る人ぞ知る、そんなマニアックな中に埋没している気がする。酒場で注文する客たちの酒の種類に目が走る。「その料理には、この日本酒だろ」と一言いいたくもなる。自宅の周りで捨てられた瓶を見る時も、「いい酒飲んでねえな」と呆れてしまう。だがそれも「嗜好品」の世界。

しかし、しかしである。こんなに日本酒を愛する者たちの言葉を「嗜好品」その一言で片づける訳にはいかない。

「カンパイ! 世界が恋する日本酒」動画配信サービスで観ることができる。是非、視聴をお薦めする。


この記事へのコメントはこちら

メールアドレスは公開されませんのでご安心ください。
また、* が付いている欄は必須項目となりますので、必ずご記入をお願いします。

内容に問題なければ、下記の「コメント送信」ボタンを押してください。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)