海鮮横丁 うおくに
小田原の地下が変わった。もう、2014年になるが『ハルネ小田原』がオープンして地下街が明るく開けた駅地下となった。そんな一角にあるのが「海鮮横丁 うおくに」。実はこの店、2015年の10月にも紹介した店であるのだが、今日語りたいのは燗酒の妙技である。
この頃は、酒が分かる店に行くと必ず燗酒を頼む。冷たい生酒もいいのだが、ちょっと酒の味に変化が欲しい時には燗や常温で頼んでみるのも面白いものだ。
そんな楽しみの一端で燗酒の話で店長と盛り上がった。実はその燗に行く前に結構飲んでしまったのが話題を盛り上げた原因かもしれない。店に入ると目に留まったのが「店長の隠し酒」とやら。隠し酒とは何ぞや、と質問すると宮城県の「日輪田 山廃」が注がれた。
飲みやすく軽い吟醸香と喉元を緩やかに流れ込む味わいは実にいい酒だ。「旨いね、この酒」と言えば店長と旧知の友となる。続けて澤屋まつもと、陸奥八仙と止まることなく酒は進む。最後に日輪田に戻って締めとなるはずが、「旨い燗酒出しますよ」と嬉しい言葉に更なる一献を注文してしまった。
その飲み方は、最初に70度まで燗を上げてしまう。その後、40度まで酒を掻き回して温度を下げる。これ旨いのである。味がまろやかになるのか飲みやすく、ツマミとも相性が良くなる。それを立証したのが「酒盗とチーズ添え」このツマミに燗酒が合うとは、実に面白い。勿論「丹沢山」が燗に合うのもその理由かもしれない。
いかがだろうか、小田原まで行くのは足が重かろうが、旨い燗酒目当てにロマンスカーの旅と決め込むのも大人の旅かもしれない。
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