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あきつかぜ 八反草 (吉川 英治氏)

 

吉川英治氏の葬儀は、大変冷たい風が吹く真冬だった。
斉場に着くと、長い長い行列。
その頃は、病後まもなくで、体力に自信がなかったので、
よほど引き返そうかと思った。
ふと見ると、五、六人前に尾崎士郎さんの姿があった。
私は軽く会釈をして列の後ろに並んだ。
私よりずっと年長の尾崎さんが並んでおられるのを見ては、
引き返すわけにはいかないと覚悟を決めた。

行列の横でざわめきが起きた。行列を無視して奥へ入って
行く者がいる。
奥の建物から人が走り出てきてその人物を迎える。
五味康祐や三島由紀夫が到着したときなど、大勢が駆けだしてきた。

それが世間の常識というものだろうから、
そのことをとやかく言うつもりはないが、尾崎士郎さんが、
そうした状況に目もくれず、黙然として、遅々として進まぬ行列
の中に並んでおられる姿だった。
尾崎さんの後姿を眺め、私は焼香まで一時間近くかかった寒風の中の
行列が少しも苦にならなかった。
もっとも、そのあと私は風邪をこじらせ、体調を崩した。
それから私が葬式なるものから遠ざかるようになったのは、
平然と特権を受ける人の姿を見るに忍びないためである。

作家の江崎誠致氏が雑誌「正論」に書いてらっしゃいました。
宮本武蔵・三国志などでお馴染みの、吉川英治氏。
1962年9月7日(昭和37年)死去、52年経ちました。
葬儀は家族で済ませ、日を改めて葬儀を行ったようです。

使用米の八反草は富久長さんが100年ぶりに復活させた幻の酒米です。
軟水を活かした柔らかさは、米の旨みを楽しめます。
今田酒造さん、今回は2回連続のご紹介でした。

広島県 今田酒造本店  あきつかぜ 八反草
精米歩合75% アルコール分15度
720ml 1、700円(税別)

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