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「食あれば楽あり」

 

今、たまらなく面白い本を読んでいる。

以前にお名前を間違えて大変失礼してしまった小泉武夫先生の著書「食あれば楽あり」である。あれから、何ヶ月も経っているのだが、他の本の合間をぬって読み続けている。

実は、この本。文章が一つ一つショートなので、電車の中で読むには打ってつけなのである。それにしても、食に対する文章の巧みさは見事なものだ。

「あまりのうまさに七転八倒である」と書いたのはアナゴの天麩羅。こう書かれちゃ、食いたくもなるわな。

「舌も乱舞の体(てい)となることうけあい」これ、トビウオのくさやを表現した言葉。

ベーコン茶漬けでは「遠慮なくお代わりどうぞというので、遠慮などしておれぬと丼三杯平らげた」と。見事な大食ぶりをご披露願った。

「そのうまさはノスタルジーとなって、今でも時々思い出すように丸かじりしている」これ何の食べ物だと思うだろうか。魚肉ソーセージなのだ。ガブッって食いたくなるだろう。

そんな、抱腹絶倒の食いっぷりの合間にも利き酒師には、ほほっと勉強になる言葉が含まれている。そもそも小泉武夫先生のご実家は酒蔵で、その酒蔵の裏では多数の鯉を飼っていたそうだ。

その鯉に、酒造りの時に出る不用の米粉や下水に流れた飯粒、酒の粕などを食べさせていたそうである。毎日贅沢な食事にありついていた鯉であるが、この鯉も大きくなるとコイ料理として食されていたのであるから、まさに無駄は一つもない。

きっと、どの酒蔵も鯉を飼っているのだろうと、今度調べてみたいと思っている。

酒のもろみがブクブクと発酵する、その泡も「泡汁」として食べれるそうだ。成分は溶けた米の糊精(こせい)のようなものと酵母が主体で、コンデンスミルクを少し固めたようなものだと表現している。

これを塩ブリや塩サケの頭やヒレなどの粗をぶつ切りにして、深鍋で大根、ニンジン、コンニャク、油揚げも入れて、泡の精を入れるのだ。そして白菜、人参もぶっこむ。

「ひゃっほー」と大声で叫びたくなるほどの旨さだそうだ。

そうだ、一言大切な事を言い忘れるところだった。小泉武夫先生は第10回名誉利酒師酒匠を任命されていることをお伝えしたい。

実に偉い方だ。

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