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酒の肴に「へしこ」

  

「へしこ」とは、鯖に塩を振って塩づけにし、さらに糠漬けにした郷土料理である。

とまあ、こんな表現になるのだが、食べたことがあるだろうか。「へしこ」若狭地方および丹後半島の伝統料理で、越冬の保存食として造られた。

寒い冬の時期、野菜も、肉も、魚さえも取れない中、保存食は生きる知恵の頂点でもある訳だ。そんな中生み出された「へしこ」。

飯のおかずに、そして酒のツマミとして食されたのだろう。その塩辛さは日本酒の喉越しとあいまって実に旨い。この味を覚えたら、つまらん料理より「へしこ」だけで永遠と飲み続けられる。

小生も小松空港で時間待ちの間、「へしこ」一品で酒を飲み続けた経験がある。それこそ、皿には数切れのへしこが並ぶだけ。その身を少し少しほぐしながら味わうのだ。勿論、ケチって少量づつ食べている訳ではない、しょっぱくて一気に口の中に放り込めないだけなのだ。それほど、塩味が効いている。

福井県に行ったら、必ず食べてもらいたい。漬け込む魚の種類も「鰯へしこ」「河豚へしこ」などがあるそうだが、まだ他の種類は食べたことがない。

都内のアンテナショップに行けば手に入るので、一度は食してもらいたい。購入したら、ぬかを軽く落とし火であぶったら、チビリチビリと身をほぐして、すう~っと冷酒を流し込む。一匹デカいのを買ったときは、身を小さく切って焼いてもらいたい。少しずつ食べないと兎に角塩辛いので要注意である。

鯖の脂と糠漬けそして塩分が、おお~、堪らない。考えただけで喉が鳴る。

そんな訳で、小生の冷蔵庫にはその「へしこ」が横になっている。今夜はこのツマミで一杯やる事に決めている。


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