銀座 松月
銀座の街を歩くと外人ばっかり、行きかう人達を見ていると「ここは日本か」と目を疑いたくなる。
ふっと考えると、この外人がもしも居なかったとすると銀座はガラガラの街並みになってしまうのではいか、と心配になる。
そんな詰まらんことを考えながら銀座8丁目交差点近く、ビルの正面で足は止まった。3階までエレベーターは走る。
目指す先は「和匠 銀座松月」。この店、きき酒師が選ぶ日本酒に興味はひかれた。そしてそのアテは魚沼産特Aこしひかりの土鍋御飯。
さて、案内された先は真正面から窓越しに銀座の街が一望できる静かな席。お願いするはきき酒の三種セット。紀土・百黙・惣誉とグラスに注がれた酒と対面する。
一の膳で7種類の肴が盆に並べられる。京生麩二色揚げ、金目鯛の檸檬南蛮漬け、はたまた雪室熟成じゃが芋饅頭と日頃目にしないい品々が食欲をそそるのである。
そして流し込む酒は旨味と酸味が交互に喉越しを責める。ゆっくりと、丁寧に酒と肴を味わい尽くす。昼の12時には贅沢な時間である。
そして期待の二の膳。土鍋御飯にご飯のお供が添えられる。さて運ばれた土鍋御飯は最初に炊き上がり直後の香りと米の甘みを楽しむことにする。
そして二杯目。少し時間が経てば、釜の中でふっくらと蒸し上がった熟成感を味わい尽くす。そして三杯目は特上鰹節で仕上げた出汁をかけて茶漬けとして流し込む。
土鍋のひつまぶしと説明すると分かりやすい。
三の膳では菓子と京都小山園の抹茶が締めには相応しく頬の赤味をぬぐい取ってくれてるいるようだ。
銀座の街には良く似合う店だと思いながら、暑い街並みに体を委ねた。和風を好む食事を楽しみたければ、外さない、いい店であった。
所でいつも思うのだが、いい店に行くと帰りに庶民の食い物をなぜか望んでしまう。
そして寄った先は下北沢でクラフトビールを楽しみ、小田急線鶴川駅では三浦半島漁港から水揚げされた鮮魚を頬張り、また日本酒を重ねてしまった。
なんだか、ホッと安らぐのはこの手の店のようだ。しかし、銀座木村屋で購入したアンパンをどこかに忘れて来てしまった。
2000円の購入金額「実に残念である」。
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