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奄美大島 「ミキ」

  

この飲み物がブームになっているらしい。自宅で作っている人もいるというから摩訶不思議である。

確かに発酵飲料なので、体にいいから気持ちは分かるが、美味しいと言うには少々抵抗がある。いやいや、し好品だから勝手に旨い不味いを判断するものでもないが、ちょっと癖のある飲み物であることには間違いない。

湿気も気温も高い奄美の地で、初めてミキを飲んだ時は「こりゃ旨いじゃん」と思ったものだが、冷たく冷やされていれば大抵の飲み物は旨いと感じるものである。

いわゆる甘酒の甘くないやつですな、乳白色のドロっとした液体。アルコール分はなく発酵しているといってもシュワシュワするでもない。

最初の一口はいいのだが、だんだん飲み進むうちに濃くなって最後は、障子を張る時に使う生麩糊(しょうふのり)のようになる。

これも慣れだろうが、地元の人は子どものころ自宅でも作って飲んでもいたし、家の前で売っていたこともあるというから驚きである。まさに、奄美のソウルフード。「ミキ」である。

作り方は簡単らしい。お粥さんを造って、冷ました中にすったイモと砂糖を入れてよくかき混ぜる。保存容器の中で、発酵させれば出来上がりだそうだが、いかがだろうか。作ってみますか。どうも、都内ではミキを造るスクールもあるらしいが、いいぞ、何事にも勉強だ。

そんなミキに遭遇するために、この冬。奄美に行きたいと思っている。

もう何度も奄美に行っているが、ミキ以外の飲み物は最高である。いやいや、ミキが不味い訳ではないのですぞ、あくまでもし好品であるから。

それより名瀬の街には屋仁川通りと銘打った繁華街がある。ここは呑み助には天国である。右を見ても左を見ても飲み屋が並ぶ一角は、生きている喜びを改めて感じさせてくれる。道行く人も、赤ら顔。代行サービスのタクシークは四六時中クルクル路地を回っている。タクシーがクルクル、こちらの頭もクルクル。よくできている。

よくよく考えると4年前の12月。奄美大島に降臨して「吟亭」で踊れや歌えの大宴会した記憶がまだ新しい。そんな店々がどうなっているのか、コロナで閉店てなことにはなっていないか。

思いは高ぶる。正直に言えば、奄美の友人はヤマトンチューが来るのをあまり歓迎していない。そりゃ、コロナの菌をまき散らすのは本土の者なのだから、気持ちは分かる。しかし、奄美を愛するがゆえに、再訪する我がままをどうか許してもらいたい。


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