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方丈記

  

「なんだ、そりょ!」そう思うでしょ。ここで、この年齢で、日本三大随筆でもある方丈記を説明解説するつもりなのか、と思われるだろうが、そう頑なに拒否することなく一度読んでみると面白い。

鴨長明、耳にした事はあるだろうが、その人が書いたエッセーだと言っておこうか。

今から千年ほど前。京都の町は大変だった。大火災、さらに飢饉が庶民を襲う。追いかけるように大地震が起きる。ひっくり返る町中で、これじゃ大変だと都を別の場所に移転しようと遷都計画が持ち上がる。

そんなこんな中で長明さん。出家して京都の郊外に引っ越しを考える。しかも、今で言えばプレハブ住宅だ。家の材料を荷車に積んでそこらの平地に家を建てたわけだ。

その広さが縦3メートル。横3メートルの庵を建設するが、いつでも引っ越せるように組み立て式の小屋を建設。この広さが一丈四方(方丈)の広さ、そこで書いたので自ら「方丈記」と名づけた。と、こうなってくる。

3メートル四方と言えば、寝るだけかと思いきや、お経を唱える場所もあれば、琴や琵琶を弾く芸術の場もある。

外では四季折々、花も咲けば小鳥のさえずりも耳に届く、沢の水を利用して煮炊きをすれば、まさに極楽浄土と考えたのだろう。しかも、長明さん考え方がいい。「お経だって気乗りがしなければしなきゃいい」いい発想だね。

そうさ嫌ならやらなきゃいいのさ。煩わしい事は、「やんねえよ」てなもんで、気の向いた時に好きなことやって、それで死んできゃ本望だぜ。まさに粋な生き方じゃないか。

「高齢者の一人住まいだぜ、何だか寂しいじゃないの」そんな侘しい事考えている者には、長明さんの様な小粋な人生は歩めないだろうな。

我輩も出来るものなら、長明さんのように生きたいなと小さな夢を見る。

映画の世界では早川千絵監督の「PLAN 75」という高齢者が75歳になったら死を選べるという何とも寂しい映画が外国のブルーリボン賞をいただいた。我輩も観てはみたが、高齢者の寂しい姿を見ていると悲しくなってくる。しかし、「方丈記を読んでごらんなさいよ。」と声を掛けたくなる。

これから人生の最後を生きようとする自身の生活だが、死を選ぶような選択だけはしたくない。それより年を取っても「俺は爺だ。文句あるか!」と叫びながら生き通したいと思っている。

ただ、一言長明さんに聞きたいことがある「そんな暮らしでも酒は飲めるのかな。」と…。


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