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食と酒と

  

この頃、酒に対する嗜好が変わった気がする。今まで、色んな種類の酒を口にしてきたが最後の結論は、その場の雰囲気や環境で旨さも変わってくることだ。

真冬の寒い中、屋台のおでん屋で酌み交わす熱燗の旨さと言ったら格別だと思うだろうし、場末の店でウイスキーに氷を落としてカラカラさせながら飲むのもいいものだと感じる。日本酒が好きには変わりはないが、結局酒なら何でも美味いと感じる事に人生の歴史を重ねている。

そこで登場、吉田類氏。酒場放浪記なんぞのテレビを観ていると、何でも旨さそうに杯を重ねる。ビールで始まるかと思えば、サワーだ、ホッピーだと何でもOKな軽業師である。

しかも、よく喰う。これは見事だ。飲んで喰ってメンタンピン、乾杯が続けば三杯は飲む。いやいやそれ以上飲み続けている。実に見事な飲みっぷりだ。まさに脱帽。

しかしたまに思う。酒のグラスを左手に持ち、右手で箸をつかんで食を育む。「その左手のグラス、置いてもいいのでは」何ぞと無粋なことを考えてしまう。稀に飲み終えて店先での一言で呂律が回らない時があって「これも粋だね」と称賛を贈ってしまう。

てな事を書いていると、小生も結局のところ酒が飲めればいいのかなと感じているところだが、詰まる所、蘊蓄傾けてクドクド飲むのが面倒になっただけかもしれない。嗜好が変わったと言うより、高い酒が旨い訳ではないと感じるのである。

食でも感じないだろうか。高級な肴を食うより、スーパーで買ったコロッケにソースべちゃべちゃかけて白飯かっこんで食べた時の旨さは最高と思わないだろうか。

何だかこんな事を感じているのは「貧乏人のひがみ」かもしれないが、この頃そんな事を思うのであ~る。


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