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旅の反省はレモンサワーで

  

「果てしない大空と、広い大地のその中で」北海道の大地に立てば、このメロディーが脳裏を走る。それだけ青く広がる空間と、地平線まで見渡せる限りなき草原の世界はここでしか感じられない。

斜里国道を車で走らせると「天に続く道」に出会える。まさに直進の道路が真っ直ぐに繋がって、スタート地点から見渡せば、「この道は天国に向かって進んでいる」と思われる直進ルートを拝むことができる。「さすが、北海道だ!」と感嘆するのは間違いない。

誰が付けたか「天に続く道」とは、言い得て妙なるネーミングである。車を止めて眺める観光客は「お~!」と一言叫びながらカメラのシャッターを切り続けている。アベックの二人連れは肩寄せあって満面の微笑みで写真に納まっているが、別れた時はこの写真どうするのだろうか。「地獄に落ちる道」と表題は変わるのかもしれない。

さて、ここまで来れば知床半島まで足を延ばそうか。その知床だが、ご存じの通り、観光船が知床半島西海岸沖で消息を絶ち、船内浸水後に沈没した事件は記憶に新しい。乗員・乗客合わせて26名全員が死亡・行方不明となってしまった実に不幸な事故が起きてしまった。心の中で冥福を祈るつもりで、知床5湖を散策することにした。

湖面には知床連山が映り、高架木道からの眺めは、いまそこに動物たちが現れる、そう感じても不思議ではない。ただ、今日は気温が高くクマさんは出て来られない様子。「毛皮を着ているからね。暑いので無理かもしれない」とガイドさんの言葉に納得である。

そんなガイドさんのお勧めでサケの遡上を拝見する事にした。川の上流から泳ぎ出したサケは、はるばる太平洋を回遊しながら約4年かけて川へと帰って来るそうだが、その凄まじい事。浅瀬の川にサケがひしめき合うこと数十匹、メスの産卵に向けてオスのサケが突進してくる。体は傷つき痛ましい姿だが、そんな事は気にするまでもなく人生最後の戦いをここに集中するようだ。中には戦い敗れて命を落とすサケ君、「あ~、現実は厳しい」まるで我が身を見ているような人生観を感じてしまった。

教訓じみた感想は、読者の思いに共感できないので、サケ君の感動の戦いに敬意を表しながら、知床を後にする。

北海道の旅も、浅田次郎氏の連載エッセイ「つばさよつばさ」を、JALの飛行機内で読むのを楽しみにして、羽田空港へ向かうのであった。

おっと、酒の話が後先になってしまった。旅の反省会は、いつもの店で。新百合ヶ丘「つづらお」に席を移した。

「さて今夜の反省会は、先ずはレモンサワーで!」徒然なるままに喉を潤すとする。


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