天ぷら定食 まきの
さて、故郷探しの旅は武蔵小山から始まる。なぜ、武蔵小山なのかと言えば東京都内では最長800メートルものアーケード商店街があると聞けば行ってみたくなるじゃないか。
250店舗もの商店が軒を連ねる。ここから湧きだす思いは近くにある戸越銀座商店街のような醤油と油の香り、煮しめた総菜とコロッケが混在した庶民の香りが買い物客に購買意欲をそそる、そんな雰囲気を思い出させると思うのだが、いかがだろうか。
歩いてみたくなるだろう。そこで降り立つ目黒線、武蔵小山駅。駅前から商店街がまっつぐ伸びている。真っ直ぐとは言わない「まっつぐ」だ。江戸っ子はまっつぐなのだが、私は荒川の生まれなので江戸っ子とは言わない。
江戸っ子は父母ともに3代続きの江戸居住者でなければ語れないので、ただの東京生まれ、「まっつぐ」と言いながらも肩身が狭い。
そんな偽江戸っ子が書店街を闊歩して歩いている。「お~、たこ焼きとタコハイがあるぞ」そんな看板はこの街に似合っている。魚屋では刺身に焼き魚、八百屋ではキュウリやナスが実に安い。そしてパン屋のアンパンはびっしりと餡が詰まっている。
そこらを歩いていると腹がすく。ここでかますはやはり江戸者としては鰻に寿司、天ぷらと粋に勝負を掛けたくなる。そんな時目の前に飛び込んだのが「天ぷら定食 まきの」。入り口には午後2時過ぎと言うのに順番待ちの客が入り口を塞いでいる。
それだけ、人気店なのだろう。暫く待ったが無事入店。入ると同時に「まきの天ぷら盛り」をたのむ。なななんと、天ぷら5品もついて千円ちょっと。「こりゃ、安いぞ」しかも料理を注文してから揚げだすのだから、そりゃ旨いに決まっている。
カウンターだけの店内は、目の前で揚げている状況が手に取るようにわかる、これは値段を考えても店先に並ぶ気持ちが理解できる。そして食べ放題の「イカの塩辛」これが白飯に合う事、それだけで箸が進む。
生ビールを飲み、日本酒は伯楽星を片口でいただく。頬張る天ぷら、揚げたてのあっちい所をサクッといく。「こりゃ、たまらない」。
「家に帰りたくない」と思っても、まさかここで寝泊まりできないので、「じゃ、ひとっ風呂浴びて帰るか」そんな粋な思いを胸に「武蔵小山温泉、清水湯」に向かう。
少々文章が長くなってきたので、そんな話は、次回に先送りにしようか。
そんじゃ…。
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