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特別純米 大那(岡本かの子)

  

岡本かの子女史は語ります。
「私、つくづく嫌になったわ、日本人って、何って不作法で不愉快なんでしょう。
あたしが今、銀座歩いて来たら、みんなこっちをジロジロ見て、振り返ったりするのよ。
本当に不作法で嫌だわ。外国じゃこんなことは絶対になくてよ」

おかっぱ頭で、白粉を白壁のように厚塗りし、真っ赤なイヴイニングを着て、
白昼の銀座を歩いていたのである。

大貫家でも
「あの美男子の一平さんがどうして、かの子のような不器量な女を、
お嫁にしてくれたんだろうって」その当時から不思議がっていたそうです。

川端康成氏語る
「岡本さんは厚化粧の為に、かなり損をしたが。よく見ると、
あどけなくキレイで、豊かな顔をしていた」

かの子は千駄ヶ谷の与謝野家へ初めて訪ねて行きました。
黒い瞳に熱情をこめて、美し高い声でつつましく話をするかの子を、
晶子も鉄幹も、いかにも良家の子女らしい率直で純な性質の娘と好感を持った。
それ以来、かの子は月に一、二度は与謝野家を訪れ、ますます晶子の影響を
受けるようになった。

谷崎潤一郎氏もかの子について語っています。
「大貫雪之助と僕は、高等学校が一緒だったし、あそこの家へも泊まりに
行ったりしたんだけど、嫌いでしてねかの子が。
お給仕に出た時も一言も口を聞かなかった」

平林たいこ女史と徳川夢声が語る岡本かの子。
「私の先生で某氏がパリでばったり岡本さんにお目にかかったんですって。
 化け物が来たかと思ったっていうんですよ。まったく派手ですからね。
 とても大きな頸飾り、毛の飾りのついた外套」
「いつか歌舞伎座で岡本さんを見かけた時はね、大江山の酒?童子
みたいな顔をして、大きな狐の襟巻をしてる。
狐のほうがよっぽど上品で貴族的な顔をしてましたがね」
「あの人のいいところだと思うのはね、自分を美人だと思っていたことです」
「うん、一種の美人かも知れないな。ありふれた美人じゃないけれども」
「非常に独創的な美人ですね」

型にはまった美しさより、独創性が魅力となる女性が少なくなりました。
日本酒も似たり寄ったりの味わいでなく、独創的な、ア!と言わせるような
美味しさは中々難しいですね。
本日ご紹介は。

栃木県 菊の里酒造㈱ 特別純米仕込み壱号 大那 初しぼり無濾過生
精米歩合55% アルコール分17度以上18度未満
720m? 1,400円(税別)

岡本かの子 文学碑

岡本太郎氏と建築家の丹下健三建造氏が昭和37年(1962年11月)に、
この多摩川のほとりに建てました。
この裏に、かの子自筆の歌碑がありますが、草が伸び放題で目にする事は
かないません。そして横には、
かの子が小説の師と仰いだ川端康康成氏の直筆の碑を拝見することができました。
今年で51年目を迎えました。

1996年1月7日午後3時32分 愛息岡本 太郎氏が永眠されました。
今年で17年目に当たります。


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