元湯玉川館くつろぎの旅
旅がしたくなった。
遠くではなく、ちょっと足を延ばして、くつろげる時間を追い求めたくなったのである。
小田急線の本厚木駅に降り立った。駅の東口、バスセンターの9番乗り場から「七沢温泉」へと向かう。
時刻表には1日4本のバス。そんな路線に気持ちは踊る。ただ、ご安心願いたい。少し歩くつもりならバスの道筋は他にもある。
揺られ到着する先「元湯玉川館」。静かな山あいに、宿は来客を待ち続ける。
先に食事としよう。離れに鎮座する「草庵」。日向林道沿いの小さな門をくぐり竹林を抜けると、静かな古民家が佇んでいる。
品のいい女性が畳敷きの大広間を案内してくれた。食事処で舌鼓を打つのは「野点お重」に地元日本酒「盛升」である。いやされる喉越しに冷たい日本酒は格別だ。
静かな風が竹林の間から空腹に拍車をかける。食事が進み、酒の銚子も1本2本と注文が増える。いい時間だ。
まさに、雰囲気の異なる空間が時を忘れさせてくれる。
さて、風呂でも浴びるか…。宿には泊まり客でなくても風呂でくつろがせる日帰り風呂がある。
風呂が済めば小綺麗な「カフェ&バーこもれび」でワインを傾けた。チリ産の赤ワインは、昼下がりの「こもれび」によく似合う。
客数も少なく、竹林と緑だけが御馳走の大人の空間だ。
どうだろう。
たまには、こんな場所で静かに心の洗濯をしてみてはどうだろうか。
この記事へのコメントはこちら