加計呂麻島 HORIZON
加計呂麻島。話には聞いていながらも、はたしてどんな島なのか。映画では「男はつらいよ」第48作目の寅次郎紅の花の中で失意の満男が、奄美大島の加計呂麻島で出会った女性に世話になる。そんな一節が映像と共によみがえる。
想像膨らましながら、奄美大島からフェリーに乗船。港から車を走らせ景色を堪能すれば、ガジュマルの木の下からリリー役の浅丘ルリ子が、木陰で佇んでいる気さえして来る。
そんな中、生間港から車で5分ほどの木立の中に「ホライゾン」と書かれた食事処が目に留まった。樹木の中にポツンと建物があるのだが宿泊もできるようだ。テラスには若い女性がティータイムと洒落込んでいた。宿泊客なのだろうか。
中に入って食事を願うが、種類は2種類。連れの相方はワンプレートの昼食を注文したが、小生は黒糖焼酎をチビリチビリと楽しませてもらう。静かな海風と、木立を揺する葉の擦れ合う音は、時間の経過を忘れさせてくれる。これが島々に思い描く自然の空間なのだろう。
グラスの氷の音も、風鈴の響きと間違えそうに心地よい。猫が昼寝から覚めたのか。ゆったりと、どこ吹く風のように外へ出て行った。
誰も気にすることなく、HORIZONは客を迎えいれる。目の前には加計呂麻島の海辺が大きく広がる。マリンブルーは夏の強い日差しが必要のようだ。
波の静かな島は、冬の到来を待つかのように島々の陰影を望ませてくれる。
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