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日本酒の味

 

160607

とある店。今まで何年も通った店だが、突然責任者が変わった。

料理も従業員も雰囲気さえも何一つ変わることなく今まで通りだが、唯一変わったのが日本酒の味だ。

馴染みの私好みの酒を注文する。注がれた酒は生酒の純米大吟醸、あえて銘柄はださないが、ここ数年不味いと感じたことはなかった。その一献が「はあ~っ?」と首を傾げたくなる味だ。

まさかと思い。別の銘柄を注文する。やはり、と頷けた。酒の管理に問題がある。何日も、一升瓶の底で残された酒が放置されると気が抜けた旨みの飛んだ味になる。

「この味、いつもと違うね」と嫌味っぽく投げかける。

「ひやおろしですからね」と返答。

「この酒舐めた?」

「はい」と一言。

それ以上、要らぬやり取りは不要だと感じ、席を立つ事にした。勿論頼んだ酒は、残されたまま。この意思表示をどう受け止めただろうか。

酒は生き物である。蔵人の苦労と、それを味わう者との見えない中での共感と感動を伝えうるものだと思っている。しかし、その間で酒の生き死にが左右する。ただ開けた一升瓶から酒を注ぐだけなら誰でもできる。

それ以上は多くは語らないが、この間守り続けてきた責任者の一人一人は、丁寧な酒の管理と、客の好みを見き分けた接待を続けてきた。残念ながら、その信頼は一夜にして崩れ落ちてしまった。

しかし、この店。もう一度訪ねる事にする。

私の残した酒の意味が分かってくれていれば、との願いを込めてではあるが…。

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