>自動翻訳機能について

信州酒ミュージアム「遊楽庵(ゆうらくあん)」

  

ここは雄大だ。

信州酒ミュージアム「遊楽庵(ゆうらくあん)」に入ると同時に、エントランス部分から円柱型の「入口ドーム」がド~ンと覆いかぶさる。実に雄大な迫力が四方八方から満ち満ちて来る。それもそのはず壁面に沿って一升瓶が10段、1800本もの酒瓶が並べられている。中心部から見上げれば、酒の雨が天から降ってくる感覚に落とし込まれてゆく。前後左右、地酒に囲まれたプラネタリウムのようだ。

長野県には80もの酒蔵がある。どの蔵も新酒の醸造に汗を流している。その想いがここに集約されているのか、ミュージアムの中で角打ちとして試飲も楽しめるのだから、たまったものじゃない。

蓼科湖や白樺湖で冷たい風に吹かれて、体が冷え込む中、この一杯の試飲は言われるままに利き酒三種に手が伸びる。

勿論この利き酒は有料なのだが、値段を気にするほど野暮じゃない。小さなお猪口に注がれる透き通る日本酒は、山から注がれる仕込み水のごとく新鮮な香りと旨味を運んでくれる。

「旨い」この一言が全てを言い表す。長々と御託を並べる気はない、昨夜の深酒を吹き飛ばすように流れ込む味わいは五臓六腑に染みわたって、秋の枯葉が舞うように心が躍る。

かつて諏訪湖の近くで蔵を構えていた舞姫酒造も健在であった。「翠露」の吟醸香に感動して日本酒の流れに身を委ねたのが、40年以上前の話になる。

その舞姫酒造「翠露」を口に含みながら、角打ちでの談義が続いた。

酒の話には終わりがない。実にいい時間を与えてもらった。


この記事へのコメントはこちら

メールアドレスは公開されませんのでご安心ください。
また、* が付いている欄は必須項目となりますので、必ずご記入をお願いします。

内容に問題なければ、下記の「コメント送信」ボタンを押してください。

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)