信州 岡崎酒造
信州亀齢(きれい)その名を耳にしたことはあるだろうか。
どこの酒屋でも目に止まる酒ではないので、口にした事がない方には、是非一度味わってもらいたい。その酒が唇に触れると香りと一緒に旨味が広がり始める。
まさに、名前に負けない綺麗な味わいが幻影を造り上げる。その名品を醸造するのが岡崎美都里杜氏である。その腕前は女性だからできる繊細な仕上がりなのではないだろうか。
しかも、岡崎杜氏は美人なのである。美人だからどうこうと下世話な話をしたくはないが、「美人はいい」。美人だから旨い酒が出来るわけではないが、旨い酒を美人が造れば至福の共感である。
かにかくに、杜氏の技術は最高と言っても過言ではない。その背景には仕込み水の良さ、信州という土地の良さが大きく影響しているともいえる。
さて、話は変わるが蔵をかまえる柳町は、かつて北国街道の要所として栄えたとしている。
北陸街道と中山道をつなぐ街道が北国街道。中山道の信濃追分から小諸・上田・高田を経て北陸街道の直江津に至る間で、江戸と佐渡を結ぶ重要な脇街道であった。
「はて?」脇街道とは。脇往還、脇道とも言われ、江戸時代道中奉行が管轄した五街道とそれに付道する道(本街道)に対する支街道が脇街道で、主要な脇街道は五街道からの延長道や分岐道であったと文献に書かれている。
「よう、分からん話だ」
分からなくても結構である。
話を戻そう。岡崎酒造に行かれたら街道筋の家々を見定めるのもいいものである。参勤交代でこの道を歩いた大名行列が目に浮かぶようだ。
宿泊先の宿で「今日は信州の酒を味わうぞよ」なんて言葉をほざいて旅の疲れを癒したのかもしれない。
我輩も疲れてはいないが酒を味わってほくそ笑んでみることにする。
それにしても岡崎酒造に訪ねた時は、店先に岡崎杜氏はいらっしゃらなかった。それが、残念である。
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