黒糖焼酎「れんと」
奄美大島2日目の勉強である。
昨夜宿泊した「ばしゃ山村」を出発してから、2時間近く、車の走る先は山、また山。
海岸淵を走り続けるのかと想像していたのだが、その違いに驚きである。山のトンネルを幾つ抜けたのか。途中にはマングローブの湿地帯も眺めながら目的地へと車は走り続けた。
とうとう、開運酒造へ到着である。
○○様歓迎。と、ご丁寧に名前まで書かれて、深々と頭を下げる。さて、休む間無く、工場内の見学である。
最初に黒糖を溶かす行程には、やはり人の手が必要であった。その先は全てがオートメーション。何たって一日5000リットル焼酎が製造されるのだから驚きである。その作業が1年中続くのだから、計算するのも頭が痛くなる。
珍しい場面を見せてもらった。蒸留された焼酎がタンクの中に流れ込むシーンをタンクの覗き窓から覗かせてもらったのだ。(写真だと分かりずらいかも)
タンクの上からザーッと流れ落ちるのが全て焼酎なのだから、そのまま飲みたいものだと思ったが、出来たての焼酎は飲めるものではないそうだ。
やはり、1年は熟成させないと旨味は出ないのが、焼酎の個性である。
そして最大の関心が音響熟成である。案内された先には1トンもの大タンクが並ぶ中、クラッシックの音が響いている。
しかも、全てのタンクに幾つものスピーカーが付けられタンク内の「れんと」に音響を届けているのである。
「タンクを触ってごらんなさい」と案内者の声。銀色のタンクに手をかざせば細かな振動が音楽に合わせて伝わってくる。
「分かった」焼酎のタンクに振動を与えているのだ。その振動がタンク内の焼酎に熟成を促進させているのだ。
つまり、焼酎が曲を聴いているのではなく、その振動が大切な役割を担っていたのだ。
山ほど質問しながら、最終工程までの勉強は終了した。
最後に工場を出ると、「砂糖キビは1月~3月が収穫時期です。」その頃には桜の花が咲いて、工場もサトウキビを黒糖に搾る作業が続いて、この辺一帯は甘い黒糖の香りで一杯になるという。
「是非、その頃来てください。」と、その言葉と笑顔に感謝であった。
この記事へのコメントはこちら