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石川県「吉田酒造」

  

蛙の声が唱和する田園風景の一角に、その酒蔵は静かに熟成の月日を重ねていた。石川県白山市「吉田酒造」である。

と「月の明かり」に登場したのが、14年前。14年ぶりに手取川の「吉田酒造」に足を運んだ。

14年と言う長い月日であったが、当時の社長吉田 隆一氏が暖かく迎えてくれた。現在は息子さんが社長を継いでいる。

この月日の失礼を詫びながら、「今はコロナ以降、利き酒はしていない」と言いながらも数本の酒を舐めることが出来た。

語る言葉の勢いはかつての通り、流暢な語らいで以前と違った酒造りとなった経緯を丁寧に語ってくれた。

2021年に『モダン山廃』と呼ばれる「吉田蔵u」を発表したのは、七代目蔵元・吉田泰之氏の新しい発想である。「u」の文字には、自然や人、料理にやさしい酒でありたいという「優」と、あなたに届けたい、の「you」の意味が込められているところに発想のこだわりが見受けられる。

購入したツバメのラベルには酒造好適米「石川門」を使い、「百万石乃白」シリーズには山や田んぼが描かれている。僅かな微発酵が飲み口をすっきりさせ、どんな料理にも馴染む味わいがある。

実は先日書いた福井県の酒蔵も「吉田酒造」であった。偶然ではあるが、こちらは石川県の「吉田酒造」である。

特別関係はないようだ。

こうして酒蔵を巡ってみると、それぞれの環境で学ぶことも沢山ある。そして、蔵で飲む酒は格段に旨く感じる。それがあるから辞められない。

酒蔵を歩んで、この足で見定めた酒は一生涯忘れる事はない。そう思うと今後何件訪ねる事が出来るのだろう。そんな思いがふとよぎるのである。

年を取った証拠かもしれない。


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