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吉田酒造「永平寺白龍」

  

福井県の曹洞宗大本山永平寺。大晦日のゆく年くる年で除夜の鐘の響く中、荘厳な建物が映し出される。「今年も終わりか」と意味深く眺める映像だが、今回は永平寺からほど近い酒蔵「永平寺白龍」を紹介したい。

永平寺から車で20分弱、田畑の一角にその蔵は存在する。九頭竜川が流れる旧上比志村にある家族経営の小さな酒蔵ではあるが、その味は実に美しい旨味だ。

生産量を追いかける事もなく、麹は全量手造り。繊細で丁寧な酒造りを心がけている。その蔵を支えるのは女性杜氏、吉田真子杜氏である。

以前は「白龍」の名で知る人ぞ知る酒ではあったが、「白龍」から「永平寺白龍」へとブランド名を変更している。

実は、蔵を訪ねたその日は新酒酒蔵祭りが開催されていた。酒蔵の前にはテントが張られ、人の流れが蔵から路上に溢れかえっていた。「何事じゃ」と覗いて見れば其処彼処でグラスを傾けている。

しかも吉田杜氏が自ら酒を注いで提供してくれる。何と贅沢な時間だろうか。そして笑顔溢れる杜氏の姿に増々旨味が増してくる。「喜び全快」のひと時である。

5種類の酒を500円で提供されれば、その時間だけで酔いは回ってくる。無濾過生原酒の味は、酒蔵で飲むと更なる旨さに繋がってくる。

時間があれば、酒蔵見学もできたのだが、到着時間が閉店間近であったために再びの再会を約束して蔵を後にした。

この旅、金沢から福井へと震災後の状況も目に留めて来るのも目的であったが、その所々で感じた思いは復興への願いでもあり、改めて地元の人たちとの交流もいい経験になったと思っている。

車窓から見る眺めに「復興まだまだ」と感じて見たが、きっとその景色の裏側に雪解け水と米の素晴らしさがその土地を造っているのかと切に感じる旅であった。

それにしても吉田杜氏「美しかったな~」。


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