朝の5分間
この頃、思うことがある。朝の5分間に憤りを感じている。
と言うのも、朝、嫌になるのが髭をそらなければならない。勿論、電気カミソリでそるのであるが、ジジジ~と右頬から左頬、鼻の下から顎の下まで。
この時間は毎朝訪れる。これにどれだけの時間がかかるのか、計ってみた。それが5分かかるのだ。無駄な時間だ。
5分あれば本を読む時間とすれば、7~8ページは読み進められる。その感覚からすると実に貴重な時間を費やしていることになる。
一層の事「髭脱毛」でもしたろうか、とも考えたがそれほど大袈裟なものではないだろうと思ってはいるのだが、はて、女性の化粧時間を考えれば何てことないのかもしれない。
そこでふと思ったのだが女性の化粧時間はどれほどの時間を必要としているのか。と、意味もない思考が頭をかすめた。
先日も一言書いたのだが、作家の村田沙耶香氏はエッセーの中で、化粧時間は10分と書かれていた。髭そる時間が5分、化粧時間が10分。どう判断すればいいのか困惑するが。
「化粧に10分。そりゃ早くないか」眉毛書いて、まつ毛を上げて、顔にパタパタして、口紅塗って、そしてそして。これで10分とは驚異的である。
それに比べて髭剃りの5分は長すぎるのではないか、もっと短縮できるのではないかと努力を重ねてみたが、早くすればするだけそり残しの髭が残るだけでいい事は何もなかった。
フーっ、とため息つきながら今朝も髭をそっているのだが、仕方ない時間を費やしてしまった。「そうだ、髭をのばしてはどうだ」と、若かりし頃実行した時があったが、数日で断念した。
理由は顔が痒くなるのだ。生えそろえる直前まで我慢ができない。それに、無精ひげは子汚い。見るからにぐうたら人間と思えてしまう。
本来ぐうたらな男が風体においてもだらしないのは見るに堪えない。
朝の5分は、貴重な男子のたしなみの時間かもしれない。
それにしても5分間にいらぬ事を考えるのに、酒飲む5時間は何とも感じないのは…。
その方が問題かもしれない。
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