鎌倉「らい亭」
鎌倉はうんざりするほどの人の流れ。しかも土曜日ときたら当然かもしれないが、平日休むほどゆとりが無いので休日に足を向ける破目となった。
小町通りの入口の混雑を見れば、その先の状態は想像がつく。「まいった」と嘆くだけでは話は進まない。それではと行先を鎌倉山に方向転換と決めた。こんな時こそ、美しき鎌倉の自然と、四季の美味を堪能すべきと心は「らい亭」に向かった。
鎌倉駅から京浜急行バスで「鎌倉山」行きである。乗車時間は途中の大仏さんで道が混んでなけれ15分程で到着となる。下車は「高砂」、降りて直進すればすぐに分かるのが「らい亭」である。
さて入口はと人の流れに乗ると大きな山門がある。ここで500円を支払う。食事をする人はこの金額が会計の時に相殺となる、つまり食事をしなくて散策だけを楽しむ人は500円。そんな仕組みのようだ。
まずは「蕎麦処」でもり蕎麦をいただく。さらには天ぷらでアナゴも添えてみる。酒はぬる燗で一本、広島の酒だが銘柄は忘れてしまった。腹も膨らんだので、ここらでゆるりと約5万平方メートルとも言われる庭を散策することにした。
店の庭先からは箱根連山が一望できる。坂道をおりると廻遊式の庭園が体を運ぶ。道なりにすすめば羅漢像がほっこりと姿を現し、その周りを竹林が囲み、草木の美しさが広がり続ける。
しかし呆然とするほどの広さだ。これが個人の所有とは考えも及ばない、さらに本館と山門は国の登録有形文化財に指定されているのだから驚き以外に言葉も出ない。
鎌倉と言えば鶴岡八幡宮、そして小町通り。そこだけに留まることなく、一歩奥に進めば実に優雅な環境が実存する。酒や食だけが楽しみではない。
心、癒されたい人は是非一度訪れてみては如何だろうか。
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