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鎌倉 蕎麦「ふくや」

  

170410

鎌倉は雨だった。

そんな日になぜ鎌倉まで足を延ばしたのか。そこには大きな目論見があった。蕎麦と酒である。

小川糸著「ツバキ文具店」の一節の中に、小さな蕎麦屋の話が出てくる。席は6席のみのこじんまりとした風景の中で、客が日本酒を飲んでいるというくだりに目がくぎ付けとなった。

「酒を飲んで蕎麦をすする」これ理想の選択肢。酒飲みには堪らない、喉が鳴る鳴る法隆寺。雨だろうが、雪だろうが、電車が走るのなら行かない訳がない。

しかしそこは大人の判断。土曜は人通りも多いはず。まして古都鎌倉、理由なく歩く観光客もいるはず、しかし席は6席「よし客足の鈍る2時前後に焦点を充てよう」。

正解であった。鎌倉駅から若宮大路を鶴岡八幡宮から逆の方向へと足を進める。郵便局前を左折して本覚寺の裏手だろうか、人が並ぶ姿ですぐに見つけることができた。まずは3人が傘の中で足踏みしている。

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待つこと20分決して苦とは思わない。カウンターの椅子に座れば予想した通り、昼飲み歓迎の一言が壁に貼られている。「嬉しい」。お言葉に甘えて「くどき上手」を小手調べに一杯、いい旨味だ。アテにきんぴら、そして注文した蕎麦は肉蕎麦でお願いする。

二杯目は麓井の圓(まどか)これもいい出来だ。蕎麦があがるまでの時間に二合は手頃だろう、ちょっと頬を染めて太目の蕎麦に挑戦するも、これもいい味だ。田舎蕎麦のように黒く太い蕎麦は大好物である。これが山形の蕎麦かと感心しながら頬ばる箸は止まらない。肉と蕎麦に酒「堪まらない」。

そうだ、ここで紹介しておこう。『ツバキ文具店~鎌倉代書屋物語~』が4月14日からNHK総合で連続放送される。実は、鎌倉を散策中にHNKの関係者がポスターをお願いしている現場に遭遇して放送を知ったのであるが、どうも「ふくや」は出ないらしい。残念ではあるが、もし「ふくや」が放送されたら二度と店には入れないと思うので心の中では嬉しく思っている。


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